2017年1月9日月曜日

ディシュタウファー攻略

1.基本方針

 基本構造が15手番しかないゲームである以上、劇的に変化するような○○戦略といったものはありません。以下の3項目について、具体的な方針を立てて少しずつ改善することで、得点が伸びるようになります。ちなみに9戦6勝で直近5回はすべて勝利しています。

2.得点効率

 得点効率では、補充がほぼ得点に結びつかないので、1手当りではなく配置1回当たりの得点を考えます。その際指針とするのが目標カードです。なぜ目標カードから考えるかというと、貴族コマ侯爵コマでの違いがあまりない上、他プレイヤの妨害を受けにくい為です。まずカード3枚をランダムで選び、4コマもしくは6コマで最大得点が取れるように考えます。4コマなら30点超、6コマなら50点程度になるはずで、ここから1配置当たりの得点は89点となります。
 89点という仮定から配置の優先順位を導くと、[10点超の決算を1配置で得る>中程度の決算を1配置で得る>目的カードに合致した配置>低得点決算を1配置≧2配置で決算] となります。2配置で決算トップを取ると他プレイヤの邪魔も出来てよさそうですが、実際には1配置当たり5点以下しか取れていなくて損していることが多いです。また、1配置で決算を取りに行かなければならないのなら、配置するのは必ず貴族でなければなりません。補充タイルの並びで貴族コマ1が侯爵コマ2より左にあるのは、そういうことです。
 ちなみに、宝箱の中で決算後に配置したままにするものがありますが、今の計算から8点以上の価値があるぶっ壊れ性能であることがわかります。(特権の点数でさえ8点が最高)

3.コスト計算

 たくさんこまがあればよいところにおけるよ。ということでコストの節約について考えます。このゲームで独特のシステムと言えば、コスト回収であると言えるでしょう。例えば第2ラウンドに移動1配置4に置いた時支払うコストは5個ですが、およそ2ラウンドでそのうちの4個は手元に戻ってきます。この時の支払いについて、名付けると、仮コスト(瞬間的な支払い)=5、本コスト(将来的に戻ってこない支払い)=1、回収ラウンド(本コスト以外がすべて戻ってくるまでの時間)=2となります。このうち本コストと回収ラウンドをいかに小さくするかが重要となります。
 つまり、本コストの中で軽減を考えなければならないものは王の最終移動地点より先に置くコストであり、移動コストと配置コストの支払い順を考えればそれは「配置コスト」であるとわかります。
 初期特権セットで、移動1と配置3は並列に語られることが多いですが、明らかに配置3の方が有用であることがわかります。正直2個や3個の移動コストは軽減しなくてもすぐに手元に戻ってきます。そして、前段の貴族1コマで決算を取るということは、57に置けという事であり、このことも配置3の強さを後押ししていると言えます。私も最初は「移動5の場所での決算が多かったら、移動を1にする特権も活躍するのではないか」と思いましたが、だったら前のラウンドに置けという話です。
 また、宝箱での移動0や配置1などの効果も、本コストの軽減がいくらなのかを考えることで、有効かどうかの判断がつくようになります。

4.手番管理

 手番が早ければ好きなところに置けます。そりゃそうです。しかし、真っ先に置いてしまうと次のラウンドのラス手番になってしまいます。では重要視するのはどこか?「第5ラウンド」です。
一度でも経験すればわかると思うのですが、第5ラウンドはほぼすべてのプレイヤが3回配置を行います。最後の方では点数に関係ある場所に一切置けなくなるなんてことさえ起きてきます。だからこそ第5ラウンドの3手番すべてを前半に行うことが出来れば、得点に期待が出来るでしょう。その為にどうするか?重要なのは「第3ラウンドのスタートプレイヤー」です。

途中のラウンドで置かれた仮コストが戻ってきて手元のコマが潤沢になる為、第5ラウンドと同じく第4ラウンドも殆どの手番コマ(2/3以上)が配置に置かれるはずです。もし第4ラウンド開始時のラス手番近くに手番コマが2つあれば、両方を配置に置いても第5ラウンドは前半に手番が来るはずです。第4ラウンドのラス手番ということはつまり第3ラウンドのスタプレでの配置となります。

2014年5月5日月曜日

ツォルキン攻略 初級編3 序盤のススメ


  • どうしてうまくいかないの・・・


作戦は分かった。今回は農業を伸ばそう。まずワーカー増やして、技術を上げて、、、、あれ、資源が足りない。もう第一FD?農業伸ばしきってないけどコーン取るか。農業上げなきゃ。コーン取ったぞ。あれ?もう第二FD?宗教上げてる暇が無い。

そんなプレイになってしまっている人を稀に見かけます。逆に得点を気にしすぎてFDでコーンが足りなくなったり、ワーカー増ができてなかったり、そんな諸々は大体において第一FD前に準備が出来ていないことが原因になってる場合が多いです。

序盤で重要なマスとして技術とワーカー増については言わなくても分かりますが、少し難しいのが5木の取り方です。5という数は絶妙で、レベル2・3と上げたときにかかる数とぴったりです。農業で初期資源2で考えると、初期資源で技術2段(農・資)、5木、技術2段(農・農)と3手で済みます。これにワーカー増や、技術1段などを組み合わせて動き方を考えましょう。


  • まずは定番どころから考える


もはや定番になりつつある黄色三段ですが、上からワーカー増、5木、ワーカー増と役割が決まっています。黄色4から次ラウンド資源0黄色0と置く形や、緑3段から緑1、2抜きして技術に行く場合などがあります。最初のラウンドだけは読めない部分が大きいので、じっくり考えても大丈夫なはずです。なるべくなら自分で考えたいところですが、明らかに実力差がある相手ならいっそ聞いてしまうのもアリだと思います。この技術を上げたいけれど、慣れたプレイヤーならどうするかと聞けるのは、秘匿情報の無いゲームの良さだと思います。

その上で、ワーカー増と抜くタイミングが被らないように技術上げを1段だけで止めたりすることで、一度に置くワーカーを2つだけにすればいろんな状況に対応できるようになってきます。

そこから、初期ピックに不運があったりしたときの対応として5木を4木にしたり、資源1の2木を使った対応が身についてくるでしょう。

2014年4月3日木曜日

ツォルキン攻略 余談


  • 2段回しの是非
ツォルキンの2段回しってキングクリムゾンだよね。という雑談はさておき、私は基本的には2段回しをしません。細かく言うと2段回しの価値が計算できないだけなんですが、今回はそれについて考えたいと思います。

例えばスタートプレイヤーに置かず、農業や資源に置いたとします。その時、2段回し後の場所は農業2もしくは資源2になるので、4コーン(石+1コーン)のプラスになり、第1FD後の技術が上がった状態では、7コーン相当となります。1段下と比べると、3コーンの差になります。

一方、2段回しをされたほうのプレイヤーはというと、予定していた行動をするためには1コーン余計にかかるので、置いてあるワーカー×1コーンかかることになります。また、農業歯車では一段上がるデメリットがそもそもありませんし、資源建築で技術2段でも建築でもメリットがある場合もデメリットはありません。

では実際の状況はどうでしょうか?

1つ目の2段回しできる状況は、自分のワーカーが低段にしか無い為に次のターンで出来ることが無い状態で、他プレイヤー全員に必要な行動が技術上げやワーカー増などの歯車中段にあるものばかりであるという状態でその差が3コーン以上という場合です。正直それを計算した上で置くのは不可能に近いのではないでしょうか?

2つ目の状況は、FDの2ラウンド前でFDの支払いの為に自分以外もしくは自分より上のプレイヤーが4または5つ目のワーカーを抜かなければいけなくなる状況です。ただ、資源型プレイヤーは第1FDのマイナス点を受けることについて、半分諦めている部分がありますし(後から取り戻すポテンシャルがある為)、後半ではそもそもコーンが豊富なのが売りなのでダメージを受けなかったりします。

正直なところ、2段回しが有利になるだろうという確信が持てるのは、最終2ラウンド前で決算を早める状況以外にはあまりありません。序盤(第1FDまで)で2段回しをしているプレイヤーで100点以上の点数を取ってトップになるのは難しいと思っています。

とりあえず、「どうしようかなー?2段回したら他は計算狂うだろうし」なんて曖昧にやってしまうと、損しているのは自分だけなんてことになりますよって話でした。

2014年3月25日火曜日

ツォルキン攻略 上級編2 小ネタ


  • 初期資材3の強さ
ツォルキンはバッティングを避けるゲームで、バッティングを避けるには2種類の方法があります。1つは早めに技術を上げて後から来るプレイヤーをけん制する方法で、もう1つは既に上げられた技術を見て被らない方面へシフトチェンジする方法です。そこから逆算すると初期資源が3つというのはシフトチェンジに対応しやすいと言えます。資源戦術の場合は(資源2段>木材5>資源2段(レベル3+レベル4ボーナス)と出来ますし、農業信仰では(農業1段+資源1段>木材5>農業2段)と出来るからです。

  • 下段はもったいない?
2段回しをされたり、ちょうどの段が埋まっていたりで必要も無いのにより上の段を取らされることがあります。1ターン待ってより上の行動をしようか、それともコーンを支払って下の行動をしようか迷います。その際は支払うコーンのことは一旦置いて、1ターンに抜くワーカーの数を考えます。より上の行動をするために待ったとして、次のターンに4個5個もワーカーを抜いてしまってはもっと無駄が大きいです。次に4個5個のワーカーを差すとなれば、支払いは10コーンどころでは無くなってしまうからです。計画通りに進めるよりも1コーンの支払いを渋るのはナンセンスだと言えるでしょう。

  • 勝利ボーダーってどれくらい?
確実に勝つためには大体120点ぐらい必要ですが、モニュメントの種類によっても変わりますし、なによりも2段回しの状況によって変化します。おおよそですが、一回2段階回しがされるごとに5点ぐらいは全員の点数が下がります。上手いプレイヤー同士にも関わらず、トップが100点に満たないゲームがあるのはその為です。





以上でツォルキン攻略は終了です。もし質問などあればコメントをお願いします。できるだけ分かる限りのことは返信します。もし、リアルでもオンラインでも同卓の機会がありましたらよろしくお願いします。





その時は、可能な限り遠慮なく叩き潰してさしあげますw(逆に返り討ちに逢う可能性が大きいですが)。

2014年3月20日木曜日

ツォルキン攻略 上級編1 妨害

私は特別上手いプレイヤーではないのですが、ちょっとしたネタを書く為に便宜上上級編としました。

多くの多人数ゲームと同様にツォルキンでも、他人を蹴落とすよりも自分を伸ばす方が勝利に近くなります。2人用ゲームのように自分のプラスと相手のマイナスがほぼ同義である場合と違い、多人数ゲームの多くはプレイヤーを指定した妨害の価値が非常に低くなります。カタンの盗賊コマのようにプレイヤーにとってノーリスクの選択肢であったり、ドミニオンの民兵のように他のプレイヤーに同じだけの効果が見込めるものでない限り、妨害をするだけ損という状況が生まれます。


  • ツォルキンにおける妨害とは?

ツォルキンにおいて直接的な妨害と言えば、真っ先に2段階回しが思い浮かぶでしょう。それ以外で言えば歯車の占有がありますが、通常のワーカープレイスメントと違い、一度占められた行動を他のプレイヤーがコーンさえ払えば行うことが可能です。その上、他のワーカーを飛び越えることで利益を増加させる資源戦略などのように、逆にアシストになってしまう状況さえ存在します。他のプレイヤーの作戦を鑑み、自分が損しすぎないものがよい妨害といえるでしょう。当たり前すぎますが、、、、、。


  • 2段回し
自分だけ1ワーカーが二段置けなくなることに留意します。FD近くで回されることが多いですが、自分だけFDの準備をしておいて、FDを1ターン早めるというのが強いです。自分が得する為に2回しすると言う状況は少なく、他のプレイヤーがワーカーを抜いたターンで回したいです。2段回しをされた場合に多くの場合はそのまま抜き差しをし続ける形になり、全体に点数の低下をもたらします。こういった上手な2段回しが複数回行われた場合、全員が80後半以上の点数を取りながら、誰も100点に到達しないゲームになることがあります。


  • 歯車を占領する
主に黄色歯車で行われます。資源建築型のアキレス腱である資源変換と、前半のワーカー増を抑制するという効果があります。資源建築型同士のスピードに差がある場合はあまり効果はありませんが、デッドヒートが行われている場合はこれが決め手になることもあります。

2014年3月17日月曜日

ツォルキン攻略 中級編3 初期配置とボーナス

ツォルキンのスタートプレイヤーは非常に強いです。技術によるプラスアルファが無い分、高い段にいきなり飛び込むメリットが少なく、序盤のワーカー3のうち1つをスタートプレイヤーに使うことに無駄が多いからです。恐らく4ターン目(割と多くの場合5ターン目)までは好きに置く事ができるでしょう。そのため、スタートプレイヤーは黄色歯車に3ワーカー差すのが基本となります。

それを基本として、それぞれのプレイ順から取得すべき初期タイルや、序盤の置き方などを考えていきたいと思います。


  • 基本的な考え
序盤の動きを踏まえて初期タイルを考えるなら、当然もっとも優先すべきはコーンです。ワーカーを手元に余らせることが序盤では最も避けるべきだからです。では次に何を考えるかと言うと「手数」です。技術が強いという意見はよく聞きますが、なぜ強いのかというと、序盤に競合してしまう技術に無理やり入らなくても良くなるからです。また、木材の高い段に入らなくて済むよう資源の数も重要になります。

重要なのは資源型などでは物乞い(宗教を1レベル下げて最大3コーン得る)は積極的にしていくつもりで計画を立てることです。宗教1レベルを担保に銀行からコーンを借りて事業を拡大していくわけです。その際には手持ちコーン0の状態で物乞いできるように考えましょう。



  • 農業型
資源2個があれば技術2段上げで資源と農業を上げ、木材5段目で5木材から技術2段上げで技術完成となります。農業技術や資源技術は持っていても手数が減らないのですが、技術2段上げの競争率が高くなった場合には補助となります。


  • 資源建築型
資源技術があれば、技術2段上げおよび木材取得にそれぞれ一回入れば良くなるので、コーンが許す限り取りたいところです。それ以外では、資源3個があれば最初に木材に入る必要がなくなり、資源レベル4に使う分の木材まで得ることが出来ます。


  • 建築資源型
建築技術×2の場合、5コーンしかないので1番手以外のときしか取ることは出来ません。建築技術や食料1人軽減の建物など、相性がよい建物が出ているかどうかを見ましょう。


  • 髑髏型
序盤に欲しい技術が資源レベル1だけなので、初期手札で上げられれば技術での競争に参加せずに済みます。何よりも、食料半額軽減の建物があるかどうかが重要になります。


  • 1番手
1ターン目の6コーンは絶対として、7ターン目までに最低プラス4コーンを使うことから、その程度は欲しいです。ワーカー1は食料9が取れたときのみのほうが良いかもしれません。資源3個を取ったとき、黄色0~2の3ワーカーからの基本的な流れはワーカー>建築0、資源(農業)0>ワーカー>建築0、資源0>技術2段、黄色6(木材4+1)となります。


  • 2番手
1番手の黄色3ワーカーがほぼ確定しているので黄色3の段(4段目)をどう捉えるかで戦略が変わってきます。つまり一段上からワーカー増の手段とするか、それとも木材4を取る手段とするかの二択です。3ターン目に技術のために建築歯車0に入るのは(恐らくスタートプレイヤーが入る為)難しいです。技術上げが一回で済むと強いでしょう。

また、2番手からワーカーの初期手札が現実的な選択肢に入ってきます。


  • 3番手
2番手がワーカーを残しているかどうかで事情が変わります。3ターン目に黄色歯車に入るのが苦しいので、1ターン遅らせて黄色に入っていくことも考えます。初期手札を取るのが一番難しいと思います。


  • 4番手
初期手札でコーンが少ないと置ききることさえおぼつかない場合があります。恐らく農業歯車ががら空きになっているので、木材は取りやすいことが予想されます。資源の数よりもコーンの数を優先するように手札を取っていくことが安全でしょう。



次回は上級編と称して妨害の是非と細かな話題について書きます。

2014年3月12日水曜日

ツォルキン攻略 中級編2 100点の為の戦術

目指す点数が100点になったからと言って、戦術ががらりと変わるわけではありません。それぞれの戦術をきっちり取っていくだけのことです。しかし、このレベルからは戦術のバッティングに対して気を使わなければなりません。資源建築VS資源建築、農業VS髑髏、なんとかして相手の先を取りましょう。



  • 資源建築型 100点到達(易しい)
同じ資源建築型がライバルになります。100点レベルでは後期の建物はほぼ終了の数ターン前に枯渇してしまうので、プラスアルファの点数をどこで捻出するか考える必要が出てくる場合があります。相手より先んじようとあまりに早くモニュメントを取りに行くと、手持ちのリソースが不足して失速してしまいます。第一FDまでに資源レベルを3にしなければならず、第二FDまでに建築レベルをできれば3にしたいところです。

相性の良いモニュメントは前述のとおりですが、出来れば3つのモニュメントが欲しいので、休めのモニュメントも視野に入れます。また、モニュメントの枯渇も起こりやすいので、建てられたモニュメント数×4点も欲しいところです。
技術による得点が特に相性がよい


  • 建築資源型 100点到達(難しい)
大まかには前述と同じです。


  • 農業型 100点到達(普通)
第一FDまでに資源レベル1、農業レベル3にする必要があります。モニュメントは二つたてることも可能ですが、まずは第二FDでの宗教のトップを、少なくとも茶色は髑髏型に取られないようにまず宗教を考えてプレイします。第三FDまでにきっちり宗教を上げておくと、ちょうどモニュメント数×4の資源が入ってくるので、横から掻っ攫うことが可能です。

資源型に比べるとリソースが不足してしまうので、ワーカーの抜き差しで4つ一度に抜くなどの無理をしないようにします。
上段のモニュメントの方が相性がよい


  • 髑髏型 100点到達(難しい)
なによりも最初に取るのは、技術1レベルとFD支払いコーン半額の建物二つです。第一FDまでに支払い軽減の建物を取ってから、五人目以降のワーカーと髑髏技術に手を付けます。第二FD直前に髑髏歯車1~3のうち2つに髑髏を置き、茶色信仰を4つ上げてトップを狙いに行きます。

注意すべきはモニュメントで、水晶髑髏×3点のモニュメントがあると建築プレイヤーに点数をプレゼントしてしまうことになるので、髑髏型を実行するときは注意しましょう。


次は序盤の動き方や初期手札についてです。